歯周内科

歯周病というのは、かつて歯槽膿漏(しそうのうろう)とも言われていた病気で、歯周病菌と呼ばれる細菌が原因で起こる、感染症です。
歯周病は、歯周病菌が出す毒素によって歯の周りの骨が溶けて歯が抜けてしまう病気です。
歯周病のせいで歯ぐきが腫れたり、血が出たりするのは、この毒素が原因なのです。
そのまま放っておくと歯周病が進行して、いずれ歯がグラグラになって抜けてしまいます。
痛みもないまま骨が溶けるなんて恐ろしい病気ですが、さらにこの歯周病は糖尿病や心臓病、早産の原因になるとも言われています。
あなたは、年をとったら歯が抜けるのが当たり前だと考えているかもしれませんが、実は、歯が抜ける原因の50%が歯周病だと言われています。
つまり、歯周病を防ぐことができれば、あるいは歯周病になってしまっても、きちんと治すことができれば、一生自分の歯で過ごすことも可能なのです。

歯周病の3つの危険


 
歯周病は「歯周病菌」と呼ばれる細菌が原因。
「歯周病菌」は「歯周ポケット」をつくりながら歯ぐきの奥へと進んでいき、やがて歯を支えている骨(歯槽骨)を溶かし始めます。
支えを失った歯は徐々にぐらぐらになっていき、最後には抜けてしまいます。

歯を失う原因のNo.1は歯周病



 
歯周病は、初期段階では目立った自覚症状がありません。
しかし、ゆっくりと確実に進行していきます。
激しい出血や痛み、歯がゆれるなど、明らかな自覚症状が出る頃には、重度の歯周病になっていることも珍しくありません。

歯周病の進行と自覚症状



 
歯周病になると、歯と歯ぐきの間に隙間ができます。
これを「歯周ポケット」といいます。
歯周ポケットに入り込んだ細菌(プラーク)や、細菌のすみかとなっている歯石は、歯磨きだけで除去することはできません。

「歯周ポケット」と「歯石」

歯周内科治療とは

歯周内科治療は、歯周病の原因である歯周病菌を、薬を内服して除菌する治療法です。
歯周病の原因菌が特定されたのは実は最近のことで、21世紀に入ってから行なわれるようになった、新しい治療法です。
顕微鏡を使って、お口の中にどんな種類の歯周病菌が、どれくらいいるかを確認します。
あなたのお口にいる歯周病菌に合わせ、細菌を除去する内服薬と、カビ取りの歯みがき剤を使って歯周病菌を退治していきます。

歯周病の再発を予防するために

歯周病は、歯周病菌という細菌の感染症です。
家族間でも感染することがありますので、再感染には気をつけてください。
できれば、家族そろっての歯周病治療がおすすめです。
また、毎日の歯みがきや歯科医院での定期検診でPMTCと顕微鏡による歯周病菌のチェックを受けて、お口の中を清潔に保つようにしてください。